源義経ゆかりの京都「鞍馬寺」を訪ねた
宝ヶ池の宿から車で15分ほど北へ、そして山の中へとわけ入っていく
仁王門のちょっと先から門徒の手によって運営されるケーブルカーの乗って、鞍馬山中腹の多宝塔まで登ることができる

このケーブルカー、一口100円の喜捨に対する「お礼」ということで乗車させてもらえる

写真のような寄付への「お礼」に散華を頂くと、その端っこが乗車券になっている。なんとも素敵ではないか!
多宝塔駅から5分ほど参道を歩き、最後は少し石段を登ると本堂のある境内に着く

<本殿金堂、神楽舞台>
本尊は毘沙門天、十一面観音、護法魔王尊が三位一体となっているらしいが、いかにもどんな凶事に対しても磐石の備えと言えよう!
平治の乱で平家に敗れた源義朝の忘れ形見、牛若丸は11歳の時にこの寺に預けられ、遮那王(しゃなおう)と名乗った
2005年の大河ドラマ「義経」では、幼い牛若(タッキー、滝沢クン)は稲森いずみの常盤御前に手を引かれてこの石段を登って行った
そして本来は出家して仏門に入ることで生かされたはずの牛若は、伝説によれば鞍馬山の天狗仕込みの武芸を身につけ、奥州藤原氏を頼ってみちのくへと向かう
同じくドラマ「義経」では、牛若は親の仇でありながら、育ての親としての恩愛を感じる清盛に奥州へ向けての出立(脱走?)を告げる
渡哲也演じる清盛が、自らが発願した蓮華王院、つまり三十三間堂で成長した牛若に「自分は平家、お前は源氏だと云うことを忘れるな」と諭す
決して史実ではなかろうが、三十三間堂でのロケは情感溢れる美しいカットだった。そのシーンが忘れられずに今回も再び蓮華王院を訪れた

<逆光・・・>
さて、鞍馬山とくれば文楽「鬼一法眼三略巻(きいちほうげんさんりゃくのまき)」だ。大阪では来月20年ぶりにかかる!

おととしの9月に東京で見たものの、そのときは「鞍馬山の段」は省かれ、「播州書写山の段」からの上演だっただけに、今回鞍馬山に登った上で観ることができればまた愉しみが増すことだろう
そう、牛若丸と言えば武蔵坊弁慶。「播州書写山の段」では弁慶の生い立ちも語られる。播州にゆかりのある筆者にとって書写山は何度も登ったことのある思い出の山だ
更に三十三間堂と言えばこれまた「三十三間堂棟木由来」が思い出される
これも葛の葉と同じような「異類婚姻譚」の一種で、こともあろうに柳の木の精と人間が夫婦になるという話しだ
清盛が後白河上皇の頭痛を平癒するためにその柳を切り倒し、三十三間堂の棟木としたのだ
どれもこれも史実としては怪しいものばかりだが、かくも豊かな古典の広がりが様々な形で今に伝わる日本文化の豊かさがなんとも愛おしい
スポンサーサイト
コメントの投稿