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友人の勧めで文楽を観たことがきっかけで伝統芸能に目覚めました。歌舞伎や能もよく観ます。とりわけ三味線の魅力にとりつかれ長唄を習い始めました。

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歌舞伎 「稚魚の会・歌舞伎会 合同公演」@国立劇場

第17回 稚魚の会・歌舞伎会 合同公演を国立劇場小劇場で観た

合同公演_small

しかもひょんなことから、縁あってA班・B班両方の舞台を観ることになった・・・

まず「壽曽我対面」は歌舞伎座さよなら公演のDVD(平成21年1月公演)を観たばかりであったが、なかなかどうして国立の小劇場という限られたスペースにもかかわらず、祝言色豊かな絢爛豪華な舞台を若手俳優たちの清冽な演技と相まって堪能することができた

A班・B班ともに工藤祐経は團十郎門下の市川升六(第17期歌舞伎俳優研修生)が演じたが、その堂々たる所作、台詞回し、表情など、本来の座頭の役としての威風を見事に体現していたと思う

また、舞鶴、化粧坂の少将、大磯の虎、いずれも若手女形によるみずみずしい色気が色彩豊かな衣装とともに舞台に華やかさを添えていた。中でもA班の化粧坂の少将を演じた中村京由(きょうゆき)は本物の花魁でもかくや、と見まごうほどの美しさであった

曽我十郎・五郎のコンビもそれぞれ和事・荒事の組み合わせはお決まりとしても、全体がおちついた荘厳な雰囲気の舞台の上で血気にはやる五郎の荒事としての演技がいかに難しいものであるかが今回はよく分かった

それにしても一刻も早い仇討ちの機会をと詰め寄る粗忽な兄弟、それをあざ笑う軽薄な大名たち、そして、若者たちに心を寄せる遊女らの台詞のやりとりの中にあって、最期に裾野での巻狩りへの入場手形たる「切手」を兄弟に投げ与える余裕を見せる祐経の堂々たる威風が際立っており、観るものに感銘を与える演技であった

とにもかくにも大好きな五郎時致にちなんだ演目を生で堪能できて大いに満足した

次は「一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)」、こちらもA班・B班両方を観た。

平治の乱で夫源義朝を失った常盤御前は牛若丸(後の義経)ら幼子3人を守るため、平清盛に服し一條大蔵長成に嫁していたが、夫長成は下は源氏の血筋ながら、今では舞の稽古に専念し、常盤も楊弓という娯楽用の弓矢遊びに夜な夜な興じているという有様

その様子に業を煮やした源氏縁の吉岡鬼次郎らが常盤御前に奮起をうながそう、というのがこの物語の発端である。
そして鬼次郎がさんざんに常盤に悪口雑言は吐いた上に、常盤の楊弓で彼女を打ち据えるいう家来筋としてはあり得ない行動に出たところ、常盤が実はこの遊びも憎い清盛をいつの日にか滅ぼさんとする思いを表しているのだ、と本心を告げる

続いて大蔵卿も現れ、平家方の輩をいきなり切りつけ、普段は「作り阿呆」として平家からの無理難題をかわしつつ、実は内心では伊豆の頼朝や義経らの蜂起を期待しつつ、いろいろと策を巡らしていたことが明らかになる

毅然として平家方の武士を切り殺し、挙句は生首までとって膝に抱える勇猛さと威厳を現しながら、瞬時に弛緩してポカンと口をあけた「阿呆」の姿に変わってひょうきんな所作に入る、という大蔵卿は、なかなか難しい役どころである

この点A班の吉右衛門門下の中村東志二郎(としじろう)の演技が光っていた

また、源氏縁に鬼次郎をA班で演じた市川猿琉(猿之助門下)もいかにも歌舞伎における二枚目武士にふさわしい輪郭、体躯、所作などなかなか将来が楽しみな演技であった

最後の「戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)」はA班だけを観たが、これもなかなか素晴らしい舞台だった。市川新十郎の浪花の次郎作、市川升一の与四郎は若手の中でも十分な風格を感じさせる所作・台詞回し。

そこに、先にA班、化粧坂の少将を勤めた中村京由(芝雀門下)の禿たよりが加わるのだが、これがまたみずみずしい美しさだ。もちろん、DVDなどで散々に玉三郎や菊之助の美しさを見慣れていると、まだまだ所作に堅さが目立つ。顔は本物の若い女性以上に女だが、身のこなしはまだまだ少年という感じか

それにしても小劇場という限られた空間で研修生らの発表会ということで、舞台装置や衣装なども、本公演に比べて簡略化されたものが使われるものと、やや、期待を下げて見に行ったものの、全てが本格的で何より若手の力のこもった演技に想像以上の感動を得ることができた

これらの中から将来歌舞伎会をしょって立つような俳優が出てくれば素晴らしいと思う
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