2月の発表会の後、今度は夏の浴衣浚えに向けて長唄の中でも名曲中の名曲と言われている「越後獅子」のお稽古を始めた
文化八年(1811年)の開曲で、峯崎勾当による筝曲「越後獅子」などの先行曲からの多くの部分を借受けながらも、長唄の唄としても三味線としても聞きごたえ、弾きごたえたっぷりの素晴らしい曲である
この曲の来歴に関しては種々喧伝されているところなのでここでは書かないが、この曲の一部分がプッチーニの蝶々夫人に用いられていることもまた広く知られているところである
そこで普段は聞かないオペラを繰り返し聞いているうちに分かったのは・・・
第一幕、第一場(私が聞いたバージョンでは最初から20分ぐらいの箇所)で蝶々夫人が芸者になったいきさつを語る場面で、長唄の以下の部分のメロディが使われている
長唄の「牡丹は持たねど越後の獅子は・・に続く軽快な合方(三味線の独奏)からそれに続く 己が姿を花と見て~庭に咲いたり咲かせたり・・」と続く部分である
西洋音階に挟まれて和音階が突然現れるのだが、その前後の繋がりは非常にスムーズで、しかるに聞いてもすぐに越後獅子だ、とは分からなかった。
オペラにはトンと縁はないがイタリアには興味があり、イタリア語で歌われる蝶々夫人の中に大好きな越後獅子の一節が使われているのは、思えばジャポニズム、今でいうクールジャパンの走りとしてとても感慨深いことである
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