ゴールデンウィークに和歌山の「道成寺」を訪ねた。

能に始まり文楽、歌舞伎など様々な分野で取り上げられるこの紀州の古刹はどんなところか一度見てみたかった。
お寺の境内の様子は、当ブログの中で写真集として記事にしておいた。
さて、道成寺と言えば「安珍・清姫の物語」である。もともとは説話として既に成立したいたが、形として一定の完成をみたのは「道成寺縁起絵巻」であろう。
お寺で買い求めた絵巻の絵葉書からいくつかのシーンを紹介しよう。当世、横書きなので物語も左から右へと写真を配しているもの、実際の絵巻は左から右で巻き取っていくので、お話自体は右から左に進行していく。(意味不明?)

安珍に裏切られたことを知った清姫は安珍を追っかけるうちに嫉妬と怒りでだんだんと蛇の姿に。そして日高川を渡るときにはもう完全に蛇体と化していた。

一方、一足先に渡し舟で日高川を渡った安珍は近くの道成寺に逃げ込みかくまってくれるように頼む。そしてお寺の鐘の中に隠れることに。しかし、安珍が鐘の中に隠れたことを知った清姫は鐘にトグロを巻いて焼き殺してしまう。そして、自身は絶望の余り日高川に飛びこんで果ててしまう。

だいたい安珍・清姫のお話というとここまでだと思われがちだが、実際はさらに後日談がある。つまり、来世ではなんとか夫婦になったものの、経緯が経緯だけになかなか成仏できずに「蛇(邪)道」に迷っていた二人が道成寺の知事(住職のこと)の夢に現れ、供養してもらうように頼む。
二人を不憫に思った知事は一山の僧侶を呼び集め、熱心に弔った。その甲斐あって二人は蛇道の苦を脱し成仏することができたことを、知事にお礼にやってくる・・・、というハッピーエンドなのである。
(続く)
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